トレーニング・運動後の栄養補給

体育専門学群3年次 岩佐慎也

 

激しいトレーニングを行った後は、身体の速やかな回復が必要です。その日の練習が終わっても、次の日にはまた練習があります。そのためには、休息と栄養が必要です。

 

☆トレーニングを終えた直後に食事で考えること

    水分の補給 ←汗で失われた水分・ミネラルを補う。

    タンパク質、糖質の補給 ←使い切り、疲労した筋肉・エネルギーの回復をはかる。

◇水分補給

 トレーニング後、汗をかいて渇いているからだに、スポーツドリンク(イオン飲料など)や天然果汁のジュースで血液などの体内水分をもとの状態に戻します。

 疲労回復には糖質が必要ですが、運動直後におにぎりやうどんといったものをとるのは大変なので、果汁のたくさん含んだジュースや糖質を含んだスポーツドリンクなどを飲むと、血糖値が上昇し肝臓や筋肉のグリコーゲン濃度が上昇します。

⇒どれくらいの水分を補給すればよいのか…

 目安として、トレーニングの前後に体重をはかり、失われた水分が体重の2%を超えないようにすることです(80kgの人は1.6kg)。一気にとるのではなく、運動中から規則正しく(15〜20分おきに200ml)水分補給しておくことが大切です。

◇タンパク質、糖質の補給

 トレーニングによって、肝臓や筋肉に蓄積されていたグルコースが消耗し、血液中の血糖(ブドウ糖)が減少、疲労感が増大します。枯渇した筋肉にグリコーゲンを補充するために糖質は必要です。運動直後は糖質の吸収が活動的になっています。理想的には15分以内に糖質を多く含む食べ物や飲み物を摂取します。

体内のグリコーゲンの量が不足した状態では、体タンパク質の分解が促進されタンパク質が代わりにエネルギーとして使われるようになります(糖新生)。

トレーニング後にタンパク質合成は増大され、それは運動後少なくとも24時間ほどは続くようでありますが、トレーニング後なるべく早いタイミングでタンパク質をとるほうが筋肉づくりには効果的であると報告されています。

 タンパク質と糖質を同時に摂取すると、体グリコーゲンの回復にも効果があります。

⇒つまり… 

タンパク質と一緒に糖質を摂取するとエネルギーの回復だけに効果的なだけでなく体タンパク(筋肉)の減少も抑えることができ、また筋肉づくりにも役立ちます。

 

また、糖質をエネルギーにするために働くビタミンB群や疲労回復効果の高いビタミンCを取るために柑橘系の果物をとると良いでしょう。柑橘系の果物に多く含まれるクエン酸は疲労を回復するのに役立ちます。

 

☆トレーニング後の食事

 激しいトレーニングにより全身の筋肉は傷つき壊れています。これをいたわり、明日へ向けてコンディションを整えるために夕食を考えます。糖質はエネルギー源であり、タンパク質は筋肉や腱の強化、カルシウムは骨の再生、そして、それらの働きを活性化させるためにビタミン、ミネラルを十分にとる必要があります。

 アメリカンフットボールは、筋力・瞬発力が必要でコンタクトのある激しいスポーツです。筋肉の原料となるタンパク質はしっかりととりましょう。なかでも肉や魚など動物性タンパク質には、闘争心を生む効果もあるため、格闘技には欠かせません。エネルギー源であるとともに、集中力をキープするためにごはんやうどんなど糖質もしっかりと取りましょう。激しい運動によってストレスが多くかかるとビタミンCが大量に失われます。集中力、安定した精神力を保つために野菜や果物からビタミンCを積極的にとるようにしましょう。強い衝撃に耐えるためには、筋肉だけでなく骨や腱・靭帯も強くなくてはなりません。そのために牛乳、ヨーグルトや小魚などでカルシウムや、ビタミンCをとりましょう。カツオ、マグロ、鮭、じゃこなどに含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を助けるので一緒にとると良いでしょう。

 

参考:「食事と運動 21世紀に向けて食を考える」

ネスレ科学振興会

「ナンシー・クラークのスポーツ栄養ガイドブック」

=ナンシー・クラーク 訳=辻秀一・橋本玲子

「アスリートのためのスポーツ栄養学」

大塚製薬  監修=樋口満